オークションで落札
ジョルカブはあくまで通勤車両であるので、「攻める走り」などとは無縁だ。 むしろいかにリスクを減らすかの方が重要である。 よってFRサスがボトムリンク式だろうが、ドラムブレーキだろうがちゃんと機能するなら問題ではない。
ただ、精神衛生上よろしくないのは、ドラムブレーキの”鳴き”である。 これはブレーキシューを交換してからなのだが、特にフロントが酷い。 あまりに音がするので、単独走行時以外はフロントブレーキを掛けるのを躊躇うほどだ。 シューを外して再度面取りし、ドラム内面を清掃すれば直るかというと、必ずしもそれが保証できないのもドラムブレーキの困った所だ。
ジョルカブのFRブレーキのディスク化については、多くの先人の実績がある。 一番手間が掛からないのは、写真の タクト(AF51)のステム以下を移植すればいいようだ(ジョルカブのフロントフェンダーがそのまま付くかは不明)。
だが、どうせフロントフォークまで変更するならば、ついでにテレスコピック式に変更したくなるのが人情(?)。 例のヘッドライト脱落の件で、現状のFRサスはやはりちょっと硬すぎるような気がしていたのだ。
FRサスをテレスコピック式に変更するには、DIO ZX(AF35)のステム以下を流用するのが一般的だ。 但しレッグシールドとの干渉や、フロントフェンダーの装着などの問題がある。
ステムについてはクレア・スクーピー(AF55)用の方が”なで肩”で干渉が少ないようだ。 サスペンション付きの出物があったのだが、よく考えたら新品でステムを買っても大して変わらないことに気づいて、入札価格を値下げ。 結局、\7,750で誰かが落札したようだ。
スクーピーのステムを流用する場合、ボトム側ステムベアリングがジョルカブと異なるので、ステム側のレースをジョルカブ用(53212-147-003)に交換する必要がある。
テレスコピック式にする人は、DIO ZXの”金サス”を好む人が多い。 自分はなるべく地味にいきたいので、DIO(AF56)の黒いサスにしようと思ったのだが、パーツリストを見てみると内部構造が全く違うことがわかった。
普通の黒いサスはVR-SUSという物で、封入されたグリスによって減衰力を得ているらしい。 対する”金サス”はHD-SUSと呼ばれ、一昔前のバイク用と同じ構造のオイルダンパーである。 他には、ダンパーレスでスプリングのみというのもあるらしい。
性能的にはHD-SUSの圧勝だろうが、やっぱり派手なのはイヤだなと思っていたら、DIO ZX(AF35)に初めて搭載された頃のHD-SUSはもっと普通っぽいタイプだった。 欲を言えばブラックの方がいいのだが。
オークションで良さそうなヤツを見つけて入札していたのだが、マフラー交換で疲れててすっかり忘れてた。 後で確認したら、高値更新されていたので、結局金サスを落とした。 まあいいか。
FRサスはオーバーホールしたいところだが、まだ特性も掴めていない段階なのでペンディング。 とりあえずシールなど交換部品は用意してある。
ホイールについても同じで、ZXのキャストホイールだとノーマルの後輪と釣り合いがとれない。 これもAF56の鉄チンホイールでOK。 落札価格は、タイヤ、ディスク付属で\100だった。 ディスクはちょっと削れてはいるが、なんとか使える。 もちろんタイヤは交換する。
この計画を立てて、結構後から気づいたのだが、スピードメーター・ギヤボックスもジョルカブの物は流用できない。 ちょうどアクスルシャフトと一緒になった物がオークションに出ていたので落札。 メーターケーブルは、TodayのハンドルASSYに付いてきた物を使うつもりだった。
ところが、ギヤボックスにTodayのメーターケーブルを付けようとしたら合わない。 オークションで落札したのはライブDIO用とのことで、メーターケーブルを横からねじで止める方式になっている。 Todayのメーターケーブルは差し込み式なのだ。
DIOの歴史に詳しくないので、DIOのケーブルならいいのかと発注したら、これもまた差し込み式だった。 orz 調べてみると99年式ライブDIO(AF34/35)まではねじ止め式で、00年式ライブDIOや01年以降のスマートDIO(AF56/57)は差し込み式になったようだ。
ギヤボックス
44800-GBL-701(ねじ止め式)
44800-GBL-J21(差し込み式)
ケーブル
44830-GBL-000(ねじ止め式)
44830-GEV-711(差し込み式)
素直にねじ止め式のケーブルを買い直しても良かったのだが、ねじ止め式から差し込み式に変わって既に6年が過ぎている。 最近のホンダは部品供給期間が短くなってきているとはいえ、それほど心配する必要はないのだが、現行機種と同じ方がいいのは確か。 よって費用は掛かるが、刺し込み式のギヤボックスを新品購入した。
中古キャリパー単体なら\300で入手できるのだが、意外に値段が高いのがマスターシリンダー。 純正新品はもちろんだが、中古でも単体で\3k程度はする。 ところが何故かAF35のキャリパーとマスターシリンダーのAssyで\2kの出物があったので落札。 ただしレバーは無し。 外観の程度は悪いが、どうせオーバーホールするので問題はない。 ホースはいずれステンメッシュに交換したいところ。
ブレーキパッドは、絶大な信頼を置くデイトナ赤パッド(62082)。 もちろん新品である。
ジョルカブやTodayのFRブレーキレバーは、セルスイッチと一体式。 マスターシリンダに交換するとなると、セルスイッチを別に設ける必要がある。 ミラーの取り付け穴は、マスターシリンダにあるので問題はない。
FRブレーキレバーとピボットボルト、ナットは新品を購入。
そのセルスイッチは、キタコの汎用セルスイッチ(756-0500300)を使用する。 店頭在庫を置いている店が少なく、値段がちと高いのが難点だ。
ブレーキはキャリパーもマスターも内側が非常に汚れていたので、オーバーホールに時間が掛かってしまった。 未経験者は新品を用意した方が無難だろう。
とりあえず仮組みしてみる。 ブレーキホースの長さが足りるか心配だったが、大丈夫だった。
まずは\100ホイールからタイヤを外す。 実はバイクのタイヤを外すのは初めて。 パンク修理も幸いにしてやったことがない(自転車では何度もやったけど)。 なかなかビードって落ちないもんなんだね。
ジョルカブからフォークを外す。 スクーピー用ステム(上)との比較。 長さやねじ切り位置などはほぼ同じ。
スクーピー用ステムには、ボトム側ステムベアリングが付属してきたのだが、フレーム側内径が異なるので、ステムのベアリングレースをジョルカブ用に交換する。 サービスマニュアルには「タガネ等を使って」と書いてあるのだが、少々叩いたくらいではビクともしない。 こういう時は、さっさとサンダーで削ってしまう。 ある程度削れば、熱で内径が大きくなるので外れやすくなる。
むしろ問題は新しいレースを嵌めるほう。 ”しまり嵌め”なので、普通に入れてもちょっと斜めになっただけで動かなくなる。 キャンプ用バーナーで加熱して”焼き嵌め”を試みるもうまくいかない。 目の細かい耐水ペーパーでレース内側を”磨いて”ようやく入るようになった。
ベアリングにもカップの内側にも、たっぷりとグリースを塗ってセットする。
その後、ハンドルのハーネス処理に時間を取られて日没になってしまった。 さらに、今頃になってハンドルの切れ角が全然足りない(左右10度ずつくらい)ことに気づく。 今から再びバラす気力がなかったので、ここで本日中の完成は断念。 orz
夕闇迫る中、最後の悪あがきでジョルカブのホイールからタイヤを外し、\100ホイールに取り付けた。 分かってはいたが、ビードを上げるのは空気入れではムリだった。 後日、嫁の会社へ持って行って、コンプレッサーで空気を入れてもらった。 バイク屋やスタンドなどで空気を入れてもらうといいだろう。
翌週末、作業再開。 まずはハンドルストッパーをサンダーで削って、切れ角を増した。
反対側も。 ブレーキホースが挟まれないように注意。
テレスコ化した場合の懸案事項として、FRフェンダーの取り付け方法の問題がある。 スクーピーのフェンダーを流用すればいいのだが、車体色にブラックがないので塗らなければならないし、費用も掛かる。 まずはジョルカブのフェンダーでトライして、ダメならスクーピーの流用を考える。
スクーピーのステムにDIO ZXのサスをそのまま取り付けると、インナーチューブが約7mm上に飛び出すことになる。 FRフェンダーを取り付ける為には、なるべく飛び出さないのが望ましい。
DIO ZXのインナーチューブ上端の樹脂キャップを外してみる。 肉厚をノギスで測ると1.8mmあった。
それにしても、このサスってどうやって分解するんだろうか?。 DIO ZXのサービスマニュアル買わなきゃダメかも。
締め付けボルトの逃げは0.7mm程度で構わない。 サンダーで削ったのだが、さすがに全周はムリ。 旋盤でもあれば全周削ってもいいが、一部のみでも支障はない。 左右なるべく同じ高さになるように削ること。
取り付けたところ5mm下がった。 さらに三叉の肩の部分を面取りした。
フェンダーの取り付けには、トランザルプのFRフォークを交換した際にも頭を悩ませたのだが、その時はインシュロックで縛る(!)という安易な解決方法を取った。 もう丸3年になるが問題は出ていない。
今回はステーを自作してみる。 材料はホームセンター(セキチュー)で買ったステンレスの平板。 厚さ2mm 幅は15mmで、6.5mmの穴が開いている。 それをタガネで写真のように曲げた。 ポイントは、上面の板をギリギリまで低くすること。 棒ヤスリで取り付け穴を長穴にするといい。
取り付けは下側からボルトを入れてナット留め。 ハンドルストッパーとの干渉に注意。
ちょっと見辛いがフェンダーの後側の部品は、4mmの穴を開けて上下左右4箇所をインシュロックで縛ってある。
TodayのハンドルAssyに付属してきたメーターケーブルを流用しようと思ったのだが、インナーケーブルの回転が重い。 結局新品を使うことに。 それにしても新品ケーブルの柔らかいこと。
ブレーキのエア抜き作業は久しぶり。 結構時間が掛かった。 フルードは、BPのSuperDOT4。マスターのシールを交換しなかったので、ちょっと心配だったが大丈夫だった。
なるべくレッグシールドは削りたくなかったのだが、やはり削らなければムリだった。 開いた穴は、バンパー用パテで塞ぐ予定。
まだフェンダーとボディに少し干渉はあるが、とりあえず走行できるようになったので、試験走行がてら近所に買い物に行ってみる。 走り始めてすぐ、ハンドリングにとてつもない違和感が。 ハンドルが重い上、車体が妙にフラフラする。 まるでキャスター角が立ったバイクのようだ。 おまけに少し右へ傾く傾向もある。 安心感をアップさせる為のディスクブレーキ&テレスコ化だったのに、これではとても安心して飛ばせる状態ではない。
考えてみれば、テレスコ化するとFRタイヤのトレールが変わる可能性もあるし、サスが長くなればキャスター角も強くなる。 ハンドリングが変化してもおかしくはない。 それとも、タイヤの空気圧が低かったのだろうか? タイヤのRFVやコニシティーの影響は??
あれこれ考えながら帰宅。 何はともあれ干渉部分を再度修正。 ステムカバーとフェンダーが擦れていたので、カバーを削って対処し、再びスタンドへ給油しに行く。 おぉっ、今度は大丈夫だ。 フラフラする傾向は解消されたみたいでひと安心。 ステアリングのフリクションの悪影響ってすごいね。
ひとまず完成記念で、トランザルプと2ショット。 2台ともFRフォークが”金サス”である。
フリクションが解消してからは、テレスコ&ディスクブレーキの良い面ばかりが見える。 サスの特性はちょっとダンピングが効き過ぎか。 個人的にはもう少し動くサスの方が好みである。 フォークオイルの粘度で調整することになるだろう。 とはいえ荒れた路面で跳ねることはないし、ブレーキングでもしっかり踏ん張ってくれる。
心配したジオメトリの変化はほとんど無視できる範囲。 ノーマルに比べればフロントの高さが若干高くなっているが、ジョーカー90のクッションを使った場合と大して変わらない。
ブレーキも唐突に効力が立ち上がることもなく、それでいて握り込めばしっかり減速してくれる。 ドラムは喰い付きはいいが、握り込んでも制動力がリニアに上がってくれないので、前車が急ブレーキを掛けた際に怖い思いをすることがあった。 その点、ディスクブレーキはコントロールし易いので、非常に安心感がある。 もちろん鳴きは皆無。 でも滑りやすい路面では油断は禁物。 RRブレーキも大事だ。
いいことづくめのテレスコ化だが、作業は2週間に渡りかなり大変だったことも否めない。 ステムベアリング・レースの打ち換え、フェンダーの取り付け、レッグシールドとの干渉など、難関はたくさんある。 正直言って、整備に自信のない方にはオススメしかねる。 ステムベアリングの打ち換えはバイク屋に持って行ってやってもらった方がいい。 フェンダーはスクーピー用を塗装して使ったほうがラクだ。 最後の干渉はカット&トライで進めるしかないだろう。