PE24キャブレター装着


京浜

記事中の表を参照

オークションにて落札

SuperTapp装着で一応のパワーアップは図られたのだが、今度はキャブレターがネックになっているのではないかという気がしていた。 96ccという排気量に対して口径20mmのキャブレターというのは、市販車なら適正サイズだろうがパワー志向ではない。

大口径キャブの選択肢としては、22mm〜28mmくらいまで各種ある。 排気量からするとVM26(又はTV26)あたりまでが限界か。 だがジョルカブはれっきとした通勤車両であるので、単純なパワー追求ではなくドライバビリティも兼ね備えたキャブでなくては困る。

JUNではPE22が推奨らしいのだが、PC20からのサイズアップだと違いが体感できるかどうか... そこで、ワンサイズ大きいPE24にしてみることにした。 JUNでもPE24を開発中という話も心強かった。

オークションを覗いてみると、PE24はタマ数も多くマニホールド付き新品でも\10k程度で入手できる。 だがそれらの大半は、海外(主にタイ)生産品である。 海外製が悪いという訳ではないが、個人的趣味でわざわざ日本製の中古を購入した(何のバイクに付いていたのかは不明)。 チョークはノブタイプである。 2stオイルの分離供給用穴(チョークの右横にある3つの穴の真ん中)は開いていない。

反対側。 負圧コック用の圧力取り出し口(右側の穴)も開いていない。

フロートチャンバーを開けてみる。 フロートは樹脂タイプ。 メインジェットは京浜「角・大」タイプである。 購入時点でメインジェットは130番、スロージェットは52番が付いていた。

スロットルバルブは鉄製・クロムメッキ。 「1SC 3.0」と刻印があった。 JUNからPE24用RAYバルブが発売されたら交換するつもり。 ニードルのクリップ溝は5段。 「36S」という刻印があった。 デイトナのカタログによると、どちらも標準仕様ということのようだ。

エアフィルター側から見る。 吸気口はショートファンネルのような形状。 クリーナーの接続口径は45mmということだが、44mmや46mmでもたぶん大丈夫だろう。

マニホールド側。 PC20とは違い、ゴム製インシュレータにバンド留めスタイルとなる(自動二輪ではこちらの方が一般的)。 チョークはPC20のようにシャッターが下りる方式ではなく、内壁に開いた穴から追加のガスが出る形式。 ノブ式なのだが、手を離すと元に戻ってしまうのが難点。

上から。 中古だが全体的にコンディションは良い。

フロートチャンバーの底には、メインジェットを交換する為のプラグがある。 海外生産品の中には、このプラグが省略されている物もある。

購入したPE24は本体だけなので、マニホールドとエアフィルターを別に購入する。 ジョルカブの場合、フロアカバー内に収める必要があるので、マニホールドの向きに注意する必要がある。

写真のマニホールドは、試しに購入した「右出し」タイプ。 だが、これだと右後方50度に出るので、ジョルカブ向きではない。 安かった(\2k)し、インシュレータは使えそうだからいいか。

マニホールドはJUNのPE22用が良さそう。 だがリペアパーツとして、マニホールド部分単体でも販売しているSP武川のPE24用にした。

部品番号 部品名称 個数
03-005-0003 インテークマニホールド 1
03-005-0244 インシュレーターバンド 1
000-13-014 インレットパイプガスケット 1

デイトナのカタログを見ると、PE24用の補修パーツが豊富に発売されている。 M/Jセット(京浜純正ではないが安い)と共に、レバー式チョークに変更する為のパーツを購入した。  これも発注はBike.ne.jp

部品番号 部品名称 個数
31091 メインジェットセット#78-95/N8ケセット 1
32535 補修チョークレバーセットPEキャブ 1
32536 補修チョークセットPEキャブ 1

ちなみにBike.ne.jpって、南海部品(の高松店)がやってんのね。 細かいパーツも扱ってくれてありがたいです。

マニホールドの比較。 SP武川のはキャブ側24mm(PE24内径と同じ)、エンジン側23mm。 外観同様に内面もツルツル。 もう一方のマニホールドだが、こちらの内面も外観と同じでガタガタである。 やはり価格と品質は比例するもののようだ。

だが実は最初に購入したマニホールド付属のインシュレーターは、SP武川のPE24用マニホールドには取り付けることが出来なかった。 結局、SP武川のインシュレーター(03-005-0200)を追加で購入(2りんかんで取り寄せ)。 バカ過ぎる。

ついでにステンレスM6ボルトの15mm(インシュレータ側)と20mm(シリンダーヘッド側)も購入。

M/JとP/Jはホンダ純正部品としても発注可能だ。 CR80R(Y,1,2)およびCR85R(3,4,5,6)で使われているPE68と共通なのだ(ちなみにCR85R(7)からは、キャブレターが変更になってPWK10となっている)。 試しに買ってみたが、値段は\450/個と安くないものの比較的納期は早いし、何より京浜純正という安心感はある(→実はP/Jは違った。後述)。

部品番号 部品名称 個数
99113-GHB-0800 ジェット,メイン #80 1
99103-440-0350 ジェット,スロー #35 1

エアフィルターは当然K&N。 だが今回はラウンドテーパーではなく、オーバルテーパー44mm(RC-2450)にしてみた。 少しでもフィルター面積を稼ごうという魂胆である。 発注先はSEED

小組してみるとこんな感じ。 まだチョークは交換していない。 キャブが少し斜めになるので、油面調整が必要になるかもしれない。 マニホールド+インシュレータの長さが、現行のPC20よりもかなり長くなる。 トルク特性を考えると、吸気管長を長くしたかったのでこれはこれでいいのだが、ボディカウルとの干渉がちょっと心配。

やはりエアフィルターの装着がちょっとキツイ。 46mmにしておくべきだったかも。 でも使っているうちに広がって馴染んでくれるのではないかと思う。

交換に必要な部品は揃ったように思えるが、実はまだ一つ足りない物があった。 それは負圧コック用のホースニップルだ。 ホームセンターへ行っても適当なのがなかったので、KN企画から購入。 1個だけだと送料がもったいないので、予備含めて3個購入。

負圧の取り出しは、通常マニホールドから行なうことが多いが、PE24には取り出し口が用意されている仕様もある。 せっかくなので、そこから取り出すことにする。 4.2mmのドリルで下穴を開けて、M5X0.8のタップを通す。

ホースニップルを仮締め。 あとで補強がてらエポキシ接着剤を塗布する予定。

心待ちにしていた、PE24用のRAYバルブが発売されたので購入。

ところが廻り止め用ミゾが狭くて、スロットルを閉じてもバルブが戻らない。 耐水ペーパーで調整した。 ニードルは3段目(真ん中)にセット。

M/Jセットから一番大きな#95をセット。 エンジンは掛かったものの、試走後のプラグは碍子が真っ白。 薄すぎたらしい。 入間のドラスタに行って、#100〜#120までの京浜純正M/Jを購入。 ついでにS/Jもセット(#38、#40、#42)を購入。 #35のS/J(左、99103-440-0350)はPE24用ではなかったみたい。

M/Jを#110、S/Jを#38にしたら、プラグの焼けもいい感じでかなりまともに走るようになった。 でもセッティングはまだまだ時間が掛かりそうだ。

カウルとの干渉は、かなりモロ当たり。

金鋸で大胆にカットして、現在はこのようになっている。 チョークをレバー式に交換したので、フロアカバーもカットしている。

一週間ほど使用してみたが、スロットルバルブの張り付きが酷い。 スロットルケーブルが長くて抵抗が大きいのもあるが、RAYバルブが張り付きやすいのではないかと思う。 構造上、バルブにケーブルのタイコを取り付ける場所が外側に位置するので、キャブのキャップの部分でケーブルが摺られやすい。 バルブの材質や表面処理、寸法精度の影響もあるだろう(京浜が鉄+クロムメッキなのは張り付き対策らしい)。 信号待ちで回転が上がってしまったりするとやっかいなので、京浜純正のスロットルバルブに戻した。

しかしそれでも肌寒い雨の日や、燃調が濃い目の場合は、張り付き現象が出る。 アイシング対策はまた別途考えるとして、キャップでケーブルが摺られるのを防ぐための治具を作成した。

といっても難しいものではなく、ホームセンターで買ってきた外径20mmX内径5mmのステンレス製ワッシャを、適当な穴(レンチの穴でも何でもいい)の上で、上からプラスドライバー(本当はポンチのように滑らかなテーパーが付いた棒が良い)を当てて、ハンマーで叩いて作った。 フジツボのようなテーパー状になればOK。 PE24付属の白い樹脂製ワッシャの代わりにこの治具を入れれば、ケーブルはほぼスロットルの中心に来る。

M/Jは#115を試したものの、ちょっと濃かったようで#110に戻した。 変わってS/Jを#42に変更した。 ニードルクリップは下から2番目、エアスクリューは全閉から1回転戻しにしてある。

しかしやっぱり張り付きが出る。 M/J#110はそのまま、S/Jを#40に変更した。 ニードルクリップも変わらず、エアスクリューは全閉から1-1/4回転戻しにした。

元々PE24は2st用なので、スロットルのリターンスプリングが弱いようだ(4stの方が負圧が強い)。 そこで、外径20mmX内径5mmのワッシャ3枚とM8用ワッシャ3枚をフジツボ治具の上に置き、リターンスプリングのプリロードUPと、スロットル質量増大を計った。

さらに、スーパートラップのディスクを8枚から6枚に減らした。 以前に武川ボンバーを装着した時に、排気系の抜けが良すぎる(排気圧が適正に掛かっていない)状態の時に、アクセルを戻した際の回転落ちが悪い事象があったので。

S/Jを#40にしたら、低開度でのトルクが全くなくなってしまい、走りづらくてたまらない。 会社の帰りに入間のドラスタへ行って、S/Jセット(#45、#48、#50)を購入。 一気にS/Jを#50にして、ニードルクリップを下から3段目にしてみたら、かなり改善したように思う。 エアスクリューは1-1/2回転戻し。 スーパートラップのディスクも8枚に戻した。 あとはハイカム入れてどうか?

カムシャフトを96cc用にしてみたが、やっぱりまだ低開度で薄い領域があるようだ。 PE24に元々セットされていた#52のS/Jに交換し、エアスクリューを1-5/8回転戻しにしたら、息つきは完全に解消した。 長い道のりだった。 ちなみにスロットルバルブに付加してあったワッシャは外して、フジツボ治具のみにしてある。

この状態で、冷間始動ですぐチョークを戻してもエンストしにくくなった。 少しエンジンが暖まれば、スロットル低開度での息つきは発生しない。 またスロットルバルブの張り付きも、晴天下では発生しなくなった。

気を良くしてセッティングはそのままでRAYバルブに交換した。 エンジンを始動すると、いきなりエンジンの回転が大きく上昇してしまい驚いた。 RAYバルブ付属のスプリングは、アイドルスクリューの締め込み過ぎを防ぐ為のものだった。 RAYバルブに交換する場合は必ず使用して、適正なアイドリング回転数になるよう調整する必要がある。

RAYバルブに交換しても、ジェット類やエアスクリューのセッティングはそのまま。 中低速回転からゴリゴリとパワーが出るようになった。 それでいて、濃い目のミクスチャーのような重い吹け上がりではなく、鋭く回転が上がっていく。

PC20と違って、PE24はいい意味でセッティング変更に素直に反応するような気がする。 心配していたドライバビリティーも問題ない。 ただ始動時はチョークが必須のようだ。 燃費は、排気量増大とキャブ口径UPの為に、PC20時代よりも悪化している(35km/Lくらい?)。 これはパワーアップの代償なので致し方ないだろう。

星:★★★★

コメント:パワフルかつ扱い易いが、燃費は欠点