特集:フライホイールについて


1.おさらい

1−1.フライホイールとは

日本語では「はずみ車」という。 クランクシャフトの取り付けられた、ある程度の大きさ・質量を持つ回転体である。 クランクシャフトの慣性重量(イナーシャ)を増加させる効果を持つ。

通常は、フライホイール単体としてではなく、発電機や点火装置あるいは出力ギヤの一部として装備される。

1−2.なぜフライホイールが必要なのか?

レシプロ(ピストン)エンジンの場合、連続的に爆発燃焼をしている訳ではない。 4サイクルエンジンの場合、単気筒ならクランク2回転に1回しか爆発しない。 つまり爆発してから次の爆発までは惰性で回っているのだ。

ある程度以上の回転数になれば、クランクシャフトに加わる外力(走行抵抗)があっても耐えられるのだが、アイドリングのような極低回転では、クランクシャフトの慣性重量だけではトルク変動が大きくて安定して回転しない。 また、低速で高負荷(登板など)になると、外力に負けてエンストしてしまう。

2.横型エンジンのフライホイール

横型エンジンのフライホイールは、セル付とセルなしに大別される。

2−1.セル付

図はジョルカブのもの。 お椀(フライホイール)が外を向いている。 ジェネレーターのコイルとピックアップは、Lクランクケースカバーに取り付けられている。

フライホイールにはワンウェイクラッチがあり、スタータースプロケットと組み合わされる。

2−2.セルなし

セルなしの場合は、お椀が内側を向いている。 コイルおよびピックアップもエンジン側に付く。

2−3.セルなし(タイカブ)

図はNICE110(ZN110)。 タイカブ系(Wave100、110、EX5、XRM110)の場合は、セルなしでもお椀は外側を向いている。 但し、セル付とセルなしで、フライホイールの型番は異なる。

3.セル付フライホイールの種類

機種 部品番号 重量 点火タイミング
ジョルカブ 31110-GES-003 1,340g BTDC11°/1,700rpm
カブ50CMリトルカブ 31110-GK4-872
カブ90CM 31110-GT0-762 1,340g BTDC15°/1,700rpm
カブ100EX 31110-GN5-902 1,340g BTDC15°/1,600rpm
Wave100,EX5 31110-KFV-M21
Wave110,XRM110 31110-KFL-851
マグナ50 31110-GBZ-018
支那エンジン 1,250g BTDC15°/1,600rpm