特集:エンジン改造についての戯言


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今でこそ4stスクーターが主流になって、その性能も2stスクーターに見劣りしないものとなっている。 しかし、ジョルカブが発売された1999年は、新世代50cc水冷4stスクーターであるジョルノ クレアが発売された年であり、まだまだ2stが主流だった。

ましてやジョルカブのエンジンは、スターターモーターの配置が異なる(スーパーカブはエンジンの上側。ジョルカブとシャリイ・50ATのみ下側)だけで、まんまスーパーカブ50カスタムのエンジンである。 HY戦争のさなかに、ヤマハ・タウンメイトとの燃費競争によって生まれた、4速ミッションを持っている。 つまり基本設計は20年以上前のものだ(ルーツを遡ると1958年のC100となるが)。

スクーターが流行する以前は、初めて乗ったバイクがスーパーカブという人が多かった。 一種の通過儀礼ともなっていたようだ。 だがHY戦争以降に原付の免許を取った人は、新聞配達や実家にあったという場合を除いて、スーパーカブを体験していない人の方が多いだろう。 かくいう自分もその一人だ。


前置きが長くなったが、何を言いたいのかと言うと、ジョルカブに初めて乗って、「遅いとは聞いていたけど、ここまで遅いとは!」と感じる人が多いのではないか?ということだ。

そこで「もっと速いスクーターに買い換える」というのも一つの案だが、数あるスクーターの中からジョルカブに巡り会ったのも何かの縁。 こうすれば必要な動力性能が得られるよ、というのがこのページを作成した趣旨である。

チューニングに着手する前に

いきなり「88cc化」とか「キャブとマフラー交換」などと考える前に、改造のロードマップを考えておこう。

1.具体的なイメージ(目標)を立てる

まず最初に、自分がどの程度の動力性能を欲しいと思っているのか、目標をキチンと把握しよう。 できるだけ具体的な方がいい。 例えば、「信号ダッシュで、おばちゃんが乗った2stスクーターに負けたくない」でもいいし、「幹線道路でクルマの流れに乗って走りたい」でもいい。 あるいは「通勤順路にある坂道で、軽自動車に煽られないようにしたい」とか。 具体的なイメージが明確なら、あとで目標に達したかどうかを検証できる。

そりゃ加速も最高速も耐久性も、全て良いのに越したことはない。 だが予算が限られる場合は、優先順位をつける必要がある。 例えば、街乗り中心で年に2,000kmも走らないなら、ノーマルヘッドで88cc化するのがお金も掛からなくて一番手っ取り早い。 しかし通勤で年間6,000〜8,000km、しかも全開率が非常に高いなんてことになると、耐久性を重視して組まなければ毎年エンジンをオーバーホールすることになるだろう。

2.予算を決める

バイク・チューニングには”一点豪華主義”は通用しない。 例えば大口径キャブレターを装着しても、他にレベルの低い部分があれば、そこにに足を引っ張られて本来の性能を発揮できないのだ。 動力性能のアップには、動弁系、給排気系のチューニングが不可欠であり、相応の費用が必要となる。 「金に糸目はつけないぜ」という方もいるだろうが、安物買いの銭失いだけは避けたいところだ。

同じことは車体全体にも言えて、エンジンだけ高性能でも車体にハイスピードに耐える能力がないと、怖くてスロットルを開けられないことになる。 動力性能に見合ったサスペンション、ブレーキなどの強化が必要だ。

3.ライダーの諸元

バイクはライダーが乗車してはじめて走ることが出来る。 バイクの動力性能を語る場合、ライダーの体重、体格を抜きにしては語れない。

極端な話、体重40kgの女性と体重80kgの男性で考えると、車両重量が80kgなので女性の方が33%も加速度が高くなる。 男性が同等の加速度を得ようと思えば、机上の計算では1.33倍のトルクが必要になってくるのだ。 体重40kgの女性なら、80ccノーマルヘッドで済むのが、体重80kgの男性だと96ccでヘッド交換が必要になったりする。 ヘタに改造に勤しむよりは10kgダイエットした方が、食費も浮いて改造代も節約できるだろう。

超無責任なチューニング・メニュー

これを参考に改造されても、一切責任取らないので悪しからず。

A.入門編

お金は掛けられないが、ちょっとだけイジってみたいという方むけ。

パーツ メーカー 商品名 価格
オイル Castrol SYNTRON EXTRA 5W-50 4L缶 \6,000
アーシング 自作 約\500
チョットイナズマ 自作 約\1,500
プラグ NGK イリジウムプラグ CR6HIX \1,500
合計 \9,500

ちょっと高く感じるかもしれないが、2,000kmごとにオイル交換しても4〜5回分あるので、それほどでもないハズだ。

「カブのオイルは何でもいい」という人もいるが、パワーがないだけにフリクション(摩擦抵抗)やエンジンオイルの粘性による影響度が大きい。 まず100%化学合成オイルであることがMUST。 10W以下が望ましいし、0Wならベスト。 上は40程度でもOK。 個人的には四輪用でも不都合を感じない(安いし)。 気にする人は二輪用を選べばよいだろう。

イリジウムプラグは、このあたりで換えた方が有難みが分りやすいが、先々ボアアップするつもりなら我慢するのもいい。 その場合、チューニングのレベルに応じて、熱価を上げること。

B.50cc限定コース

免許の関係で、原付2種に出来ない場合。 チューニングの選択肢は多くない。

パーツ メーカー 商品名 価格
キャブレター S.S. JUN RAY-PC20ノーマルヘッド左だし ssc-001 \19,845
スロットルケーブル キタコ ジョルカブ用補修ケーブル 905-1118006 \1,470
エアフィルタ K&N ラウンドテーパー Φ35 RC-0790 \3,675
カムシャフト JUN Int. ノーマルヘッド用ハイカムセット \6,500
ドライブスプロケット キタコ ドライブスプロケット15T 530-1010015 \1,050
合計 \32,540

「50ccにPC20?」と異論のある方も多いと思う。 でも、中途半端にPB16やPC18あたりを付けるよりも、後で「やっぱりボアアップしよ」と思った時のスケーラビリティがある。 だがMJ交換など、キャブレター調整は必要となるだろう。 エアフィルタは、キタコでも武川でも何でもいい。

PC20はキタコからジョルカブ用が出ている(110-1118006 \20,790)。 チョークケーブルも付いているし、マニホールドに負圧コック用の取り出しもあるので、こちらの方が手間は掛からない。 JUNのPC20にしたのは、レイバルブが組み込み済みでハイスロもセットになっているので、お買い得だから。 この辺はお好みで。

カムシャフトを交換するのは、エンジンの性能特性を最も直接的に決定付けるのが、4stの場合はカムだからだ。 カム交換のみであれば、エンジンいじりに慣れていない人でも、手を出しやすいと思う。 逆に、CDIやコイルの交換は、費用対効果で言うとかなり微妙。 ジョルカブの場合、高回転を追及する訳ではないので、レーシングCDIにしたからといって効果は薄いように思える。 ここではあえて入れていないが、交換しても害はない。

マフラーについては、あえて手をつけていない。 ビッグキャブとハイカムが入ったとはいえ、排気量は変わらず回転数も劇的に上がる訳ではないので、容量的にはノーマルで足りるのではないか。 個人的経験ではマフラーを芯抜きすると、75ccでもちょっと抜け過ぎな感があった。 どうしても変えたい場合は、スーパートラップかSP武川のストリートマフラーに交換するのがいいと思う。

C.体重60kg以下コース

体重60kg程度の男性で過不足なく、もっと軽い女性なら充分パワフルなコース。

パーツ メーカー 商品名 価格
ボアアップキット S.S. JUN WPCリーズナブル80ccカブパワーアップSET \50,000
クラッチ 純正 プレート,ドライブ 22351-178-020 \3,360
センター,クラッチ 22120-GCF-670 \2,100
ギヤー,プライマリードライブ(18T) 23120-041-000 \1,740
アウター,ドライブギヤー(18T) 23112-041-050 \920
ギヤーCOMP,プライマリドリブン(67T) 23110-GCF-670 \4,570
ウェイト,クラッチ(16枚) 22531-178-000 \1,600
JUN Int. カブ強化クラッチスプリングセット \3,200
オイルポンプ 純正 タイカブ100EX用 約\1,500
スロットル JUN Int. PC20レイバルブ ssc-010 \4,536
スロットルケーブル キタコ ジョルカブ用補修ケーブル 905-1118006 \1,470
エアフィルタ K&N ラウンドテーパー Φ35 RC-0790 \3,675
マフラー 純正 芯抜き
合計 \78,671

ボアアップする場合、最低80ccは必要というのが体験談。 75ccのライトボアアップキットには、シリンダーヘッド交換などその先のステップアップが用意されていない。 ノーマルヘッドのバルブやポートを実際に見たら、いくらカム交換やボアアップをしても、本来のパワーは出ないということがわかるだろう。 下はノーマルヘッド加工して、75cc用(ボア径48mm)にスキッシュエリアを設けた物。 バルブ径は、IN:19mm、EX:16mm。

ノーマル改

こちらはJUNの80cc用(ボア径50mm)キットのヘッド。 バルブ径はIN23mm、EX20mm。 ちなみに1円硬貨が直径20mm、10円硬貨が23mmだ。

JUN 80ccヘッド

このボアアップキットは、キャブ(PC20)、ドライブスプロケット(16T)もセットになっているので、部品を集める手間がない。 ビッグフィンヘッドにしなかったのは、セルモーターなどと干渉がありそうだから。

クラッチは、ドライブプレートを追加工して、ウェイトを32枚に変更する。 ウェイトを増やすだけならSP武川の強化遠心クラッチを購入してくれば、カンタンで安上がりだ。 わざわざ部品を組み替えるのは、一次減速比を小さくするため。

クリッピングポイント(以下、CP)からも81ccのキットが出ていて、ヘッド交換にも対応するしJUNより若干リーズナブル。 品質面でどちらがいいかは何とも言えないので、自分で確かめてほしい。

このレベルになると、マフラーがノーマルではNG。 芯抜きはテールパイプを金ノコで切るだけ。 96ccくらいまでは充分対応できる。

D.体重80kg以下コース

体重80kg程度の男性で過不足なく、体重60kg程度の男性なら充分パワフルなコース。

パーツ メーカー 商品名 価格
Cコース 合計 \78,671
クランクシャフト S.S. JUN 49.5mmロングストローククランクセット \29,800
ロッカーアーム 純正 バルブ・ロッカーアーム 14431-035-020(2本) \1,980
オイルポンプ軸 純正 カムチェーンガイドスピンドル 14675-148-000 \720
合計 \111,171

ご覧のように、Cコースをストロークアップして96ccとしたもの。 ほぼ2007年初頭での、自分のジョルカブの仕様と重なる。 つか、エンジンだけでこんなにお金掛かってんだな(汗)。 10万円コースだもんね。 このあたりまで来ると、パワーを受け止める足回りもノーマルじゃキビシイので、さらに2万円ほど追加になると考えた方がいい。

このJUNのクランクシャフトは96cc用のカムシャフトがセットになっている。 CPからも52mmストロークで\20kというのが出ているが、こちらはクランクだけなのでカムは別に買う必要がある(80cc用カムでは能力不足)。 CP製品で構成するなら、最初から「ハイパワー102ccキット」を購入した方がいい。 JUN製品で揃えるよりも1万円以上安い(ロッカーアームも付属)うえに、排気量もバルブ径(IN:Φ25、OUT:Φ22)も大きいのでパワーでも勝るはずだ。 ただ、ストロークが増す分、振動も増加する可能性もある。


じゃあ、JUNとCPとどちらのキットがいいのか? と問われても、JUNしか使ったことがないので、自分には答えられない。 ただ、もし今から新しくボアアップしたエンジンを組むとして、どちらを使うか? おそらくCPの102ccキットを選択するだろうと思う。 JUN製品の良さ(造りやWPC加工、平らなピストントップ)は充分承知しているが、低価格とビッグバルブとプラス6ccが魅力的だから。


ジョルカブ本体の価格と併せると、新車のSPACY100にモリワキのマフラー付けたのと、どちらにするかは微妙な線。 パワーは同等以上だが、燃費はやや不利か。 快適性や2人乗りを考えるとSPACY100に分があるけど、走りはジョルカブの方が楽しいと思う。

E.無差別級コース

単に最大パワーを得たいだけなら、124cc化すればいいと思う。 でも、ジョルカブのクランクケースを使って、ある程度の耐久性を維持しつつ逝ける所を考えてみた。

パーツ メーカー 商品名 価格
クランクケース加工 ボーリング加工 Φ56.4 約\10,000
ボアアップキット S.S. JUN カブ90WPCビッグバルブ105ccボアアップKIT \60,000
スタッドボルト 純正 カブC90用 約\1,000
カムチェーン 純正 カブC90用 約\2,000
クランクシャフト 純正 カブC90用 約\20,000
クラッチ S.S. JUN CUB強化クラッチフルセット \10,300
オイルポンプ 純正 タイカブ100EX用 約\1,500
オイルポンプ軸 純正 カムチェーンガイドスピンドル 14675-148-000 \720
キャブレター SP武川 ビッグボアキャブレターKIT VM26 03-05-0482 \23,940
スロットルケーブル キタコ ジョルカブ用補修ケーブル 905-1118006 \1,470
エアフィルタ K&N ラウンドテーパー Φ43 RC-2490 \4,725
マフラー
ドライブスプロケット キタコ ドライブスプロケット16T 530-1010016 \1,260
ドリブンスプロケット キタコ ドリブンスプロケット 31T 535-1015031 \1,890
合計 \138,805

ここまでくるともう、新車のWAVE125i(約28万円)買った方がいいだろう。


ジョルカブにとっての理想のエンジン

ジョルカブは所詮スクーターであり、街乗り・近距離の使用が主である。 速さばかりを追求して、カリカリにチューンされたエンジンは似合わない気がする。

今までの経験からすると、49.5mmストロークのクランクシャフトにボア50mmのピストンを組み合わせた97ccが、エンジンの回り方(回転の質感という意味で)としてベストではないかと思う。 キャブはPE22が最適だろう。

さらに言えば、クラッチはやはり二次側の方が操作力も軽くていい。 そう考えると、C100EXのエンジンが理想ということになる。

しかしC100EXは上セルなので、ジョルカブに載せるのは無理がある。 つまり、クランクケース(ボーリング加工が必要)とセルモーターは下セル仕様のジョルカブの物を使いつつ、腰上やクラッチ、ミッションはC100EXのものに組み替えることになる。

C100EXの部品を新品で揃えるととんでもない金額になるので、中古エンジンを調達してニコイチにするのが手っ取り早い。 しかしC100EX自体のタマ数が少ないので、残念ながら中古エンジンが出回るのは非常に稀だ。


支那エンジンへの換装

元が50ccのエンジンなので、排気量をアップして高出力化すれば、マージンが削られて耐久性に問題が出てくる。 本来であれば、スーパーカブC90(85cc)あたりが限界だろう。 海外では、C100EX(97cc)やWAVE100、NICE110, WAVE110(106cc)のように排気量を拡大したモデルがある。 これらは当然、排気量に見合うよう各部品の強化が図られている。 こういうエンジンに載せ換えることが出来れば最善といえるが、入手は困難だし費用も掛かる。 費用対効果を考えれば、タイカブにそのまま乗った方がいい。

もう一つの問題は、海外生産のモデルにはジョルカブのような下セル付エンジンが存在しないことだ。 上セルだとキャブレターを前方に向ける必要があるので、フロアカバーから飛び出してしまう。 セルなし・キック始動にすればいいが、排気量が大きくなるとデコンプ・カムが必須となり、社外品のハイカムへの交換ができなくなってしまう。

ところが、中国製の横型エンジンのコピー品(支那エンジン)の中には、ジョルカブと同じ下セル付モデルが存在する。 排気量は110(107)ccや124(120)ccが多い。 オークションなどで、市販のシリンダーヘッド付ボアアップキットを買うよりも安価に入手することができる。

排気量アップに伴いロングストロークになるので、エンジンの振動はどうしても大きくなる。 だが、基本となるNICE110もホンダの製品基準をクリアしているのであるから、振動や応力に耐えられるようにクランクケースも強化されている。 通常の使用状況(10,000rpmくらい?)なら耐久性に問題は起きないだろう。 大排気量のおかげで低回転からトルクがあり、回転数を上げなくても十分に速い。 燃費も88ccで高回転まで回すよりは良い筈だ。

だが、良い事ばかりではない

まず支那エンジンに信頼できるブランド、メーカーはないと思った方がいい。

支那エンジンを製造しているメーカーは非常に多く、見た目は同じでも細かいところが違うエンジンが多い。 一説によると、クランクケースやシリンダーなど、パーツメーカーから部品を寄せ集めて、エンジンを作っているメーカーが多いらしい。

日本のメーカーだって同じと思うかもしれないが、日本の場合は自社の図面を元に協力メーカーに製造してもらっている。 これはボルトですら同じである。 当然、品質管理もキチンとしている。 中国の場合は、”標準部品”としてシリンダーやピストンを買ってきている訳で、そこには大きな隔たりが存在する。 これは大同や金城などの名が通ったメーカーでも同じだ。

次に、支那エンジンのスペックは信用できない。

シリンダーに124ccと刻印されていても実際には120ccしかないなど、本当の排気量は分解してみないとわからない。 140ccとか138ccという排気量をうたうエンジンもあるが、本当のところはかなり怪しい。

それから一番大きいのは品質の問題。

特に変速ギヤやクランク軸のスプラインの加工精度は非常に低い。 ギヤの入りが悪いとか、エンジンオイルに鉄粉が多く混じるというのもむべなるかなである。 当たり外れもあるようだが、それを言う時点で工業製品としては失格だ。

つまり、運が良ければ買ってきてポン付けでエンジンを使うことが出来るが、クランクケースを割るようなメンテナンスが必要になる可能性も高い。 普通のバイク屋では、支那エンジンの整備は断られることもあるので、自分で腰下までメンテナンスできるスキルがある(あるいはそういう知り合いがいる)人でなければ、長期間の使用は難しいのではないかと思う。

ではどうするか?

完成品としては不安な代物だが、素材として割り切れば支那エンジンはとても有用だ。

自分の場合は、「どこまで純正部品が使えるか」試してみたかったので、ジョルカブのエンジンから使える部品はすべて使用した。 その結果、支那エンジンの部品は、クランクケースとクランク、ピストン、シリンダー、シリンダーヘッド&カバー類、スターターモーターだけになった。

そこまでする必要はないが、支那エンジンのウィークポイントであるクラッチとミッションをHM純正品に交換するだけで、信頼性は大幅に高まるだろう。 ジェネレーターも純正に交換してしまえば、電装系はいじらなくて済む。

支那エンジン選びのポイント

支那エンジンに交換する一番大きな理由は、純正50ccのボア・ストロークアップでは成し得ない、排気量アップだろう。 つまり100cc以上の排気量を狙いたい。

オークションなどに出回っている下セル付きエンジンには何種類か存在する。 排気量から大別すると、50cc、110cc(正確には107cc)、124cc(実際には120cc)の3種類となる。

クラッチ形式でも遠心、マニュアル1次側、マニュアル2次側、AT(無変速)の4種類がある。 ホンダ純正海外モデルで一般的な二次側遠心は、日本に流れてくる支那エンジンでは非常に稀である。 有段変速の場合は大半が4速だが、マニュアル・クラッチ仕様の中には5速の物もあるらしい。 もっとも100cc以上だとトルクが大きいので、5速の必要性はないしギヤの耐久性に不安が残る。

スタッドボルトのピッチが、ホンダ純正とは異なる仕様のエンジンもある。 オークションで落札する前に確認するのは困難なので、ある意味運任せとなる。

シリンダーヘッドが3バルブ(吸気2、排気1)仕様のエンジンも存在する。 性能面でのアドバンテージもそれなりにあるようだが、HM純正部品との互換性は低くなる。 故障などで部品交換が必要になった場合に、補修部品の入手が困難になる可能性があるので、そのあたりは覚悟が必要だ。

現在使用中のエンジン

同じタイプのエンジンを入手したいという人もいるかもしれないので、自分が使っているエンジンの特徴を列挙すると、

  1. ビッグフィンタイプのシリンダーヘッド
  2. シリンダーヘッド Lサイドカバーに「CDI」と入っている
  3. シリンダー側面に「124cc」「WYDL」の鋳込み文字
  4. エンジンマウント穴に、ゴムブッシュがない

「CDI」カバーはあまり当てにならないが、シリンダー側面の鋳込み文字はある程度信用できるだろう。