なんでジョルカブ?


経緯

発端

発端は通勤用バイクが欲しいと思ったから。 家を新築して会社から10km以上離れてしまったので、自転車通勤からバイク通勤になったのが2年半前。 それからずっとトランザルプ400Vで通っていたのだが、さすがに大きな車体で通勤ラッシュをかき分けて走るのが負担になってきた。 さらに通勤だけで年間6,000kmも走行するので、製造から13年目となるトランにかかる負担も無視できない。 トランに永く乗る為にも、通勤専用車両の導入が必要だった。

スクーター

通勤バイクといえば、原付。 原付といえばスクーターである。 もちろん、Apeなどバイクタイプもあるし、リトルカブもあるが、ここではスクーターに限定した。 学生時代に初代リード50に乗っていたこともあり、久し振りにスクーターに乗ってみたかったのだ。

原付

だが、ひとつ問題がある。 通勤順路ではアップダウンのある田舎道を、60km/h以上のペースで走れないと、クルマに煽られてしまうのだ。 制限速度30km/hの原付では、スピード違反を前提にしなければ走れない。 幸い普通自動二輪免許があるので、原付二種のスクーターにすれば問題はない。

予算

という訳で、リード100スペイシー100を考えていたのだが、まだ問題があった。 予算である。 トランをHID化しようと思っていたお金で買うので、\70k程度が限度である。 もちろん新車は買えないので、中古車を探したのだが、スペイシーは中古でも\14kからで、完全に予算オーバー。 リードは程度に目をつむれば、予算ギリギリのモノもあるが、「今さら2st?」という感が否めない。

ちなみに50ccスクーターでも、4stの現行機種だと予算に収まりそうなのはTodayぐらい。 4st Dioクレア スクーピーは、乗り潰されたもの以外は結構高値である。

発見

原付二種は制限速度が高くなる反面、普通自動車免許では乗れなくなる。 嫁が近所の足として使う機会があるのなら、原付でなければならない。 そこで、ホンダのWebサイトで原付のラインナップを見ていたら、目に留まったのがジョルカブだった。

ジョルカブの存在自体は、発売された時から知っていた。 2stだったジョルノが、水冷4stエンジンを積んだジョルノ クレアに生まれ変わったのと同時に発表されたのがジョルカブだった。 正直な話、「なんで今、カブのエンジンなんか積んだスクーターなんだ?」というのが感想だった。 市場の反応もだいたいそんなところだったようで、むしろ5年間も販売されていたこと自体が不思議なほどである。

そんなジョルカブも取り柄がない訳ではない。 カブのエンジンは非力ではあるが、何より燃費が良くて(リッター110km)、しかも丈夫だ。 自動遠心クラッチ付4段ミッションも、一般的なVベルト変速に耐久性では勝る。 そして何より、モンキー/カブ系エンジンは、社外品パーツが豊富だ。 ボアアップはもちろん、エンジン載せ替えだって難しくない(この時点で、当初の趣旨から外れてきているのだが)。

嫁が乗るとすると、シーソーペダルの変速操作が問題となるのだが、この時点で既に嫁から「昔コケたことがあるから、スクーターは乗らない」と言われていたので問題はない。 当然、原付二種にするのもOKだ。

出会い

まず、ジョルカブの中古相場を調べてみた。 GooBikeBikeBrosなどを見てみると、大体\70k〜\100kあたり。 なんとか予算内に収まる物件も見つかった。 ただ、車体色がシャスタホワイト(白)なのがイマイチ。 白は汚れが目立つし、べガブラックメタリック(黒)が第1希望なのだ。 モンツァレッド(赤)は、おじさんにはちょっと気恥ずかしい。

次に、知り合いのバイク屋へ行ってみた。 業者用オークションで探してもらったところ、「予算\80kでも該当なし」と言われてしまった。 仕入れたバイクの整備代や利益を考えると、どうしても高くなってしまうようだ。

ならばと個人売買も調べてみた。 パラダイスの個人売買掲示板で、白を\50kで譲りたいという書き込みがあったので、連絡をとってみたが既に売約済み。 さらに、ヤフオクで黒のジョルカブを出品している人がいた。 75ccにボアアップ他、エンジンはかなりいじってあるようだったが、外観はキレイなようだ。 幸い、近隣の市の方だったので、実車を見せていただけることになった。

試乗

実車確認の当日。 予報では午後から雨ということだったが、朝から小雨がパラついていた。 カッパを着込んで、トランで待ち合わせ場所へ向かう。 到着する頃には、雨は上がって暑いくらいだった。 現オーナーはメールに「僕は晴れ男だから大丈夫ですよ」と書いていたが、どうやら本当らしい。

やがてオーナーも到着。 実車の状態や改造内容について説明を受ける。 オークションでは走行距離が3,800kmということだったが、ジョルカブのオドメーターは千km単位までしかないので、てっきり何周か回っているのだろうと思っていた。 ところが、本当に3,800kmしか走っていないらしい。

現オーナーで3代目なのだが、初代オーナーの女の子がシフト操作に馴染めず、すぐにバイク屋に売却。 そこへスクーターが壊れて修理に来た2代目オーナー(美容師さん)の目に留まったのだが、やはり遅過ぎて放置状態に。 そして2代目オーナーと知り合いだった現オーナーの元へやってきたということだ。

しばらく放置されてせいでエンジンの掛かりが悪かったので、現オーナー(実はクルマの整備士)がシリンダーを調べてみたら、少し錆が浮いていたらしい。 純正部品は高いので、ついでに遅さをなんとかしたいということでボアアップキットを組んだということだ。 88ccのキットはスリーブが薄くなって耐久性が不安ということで、デイトナの75ccキットを選択したらしい。

さらに、シリンダーヘッドのポート研磨と0.5mm面研を行い、キタコのストリートハイカムを組み込んである。 キャブレターはモンキー用のΦ24くらいの中古品を装着。 ハイスロはそのキャブとセットになっていた物で、ノーマルだとケーブルの巻き取り量が足りないのだと言う。 インマニは新品。 マフラーの芯を抜いてあるということだったので、音が大きいのではないかと心配したのだが、マフラーエンドの穴径を広げてあるだけなので、問題はなかった。 CDIは変更していないとのこと。

オイルは1,000kmもたない、300kmごとに交換していたらしい(職場にオイルはたくさんあるから)。 強化クラッチとオイルクーラーを装着すれば、もっと寿命は延びるだろう。

やはり整備士さんということもあり、改造箇所には全てちゃんとした理由がある。 人柄も良く、心の中では最初の5分で購入決定していた。 やはりこういう出会いは大切にしないとね。